足跡をたどる
大分県 臼杵市
1600年4月、ウィリアム・アダムスの乗船するオランダ船「デ・リーフデ号」が臼杵沖の黒島に到着したことにより、彼は日本に到着した最初のイギリス人となりました。アダムスと船員たちは臼杵の人々に救助、保護され、ウィリアム・アダムスとオランダ船員のヤン・ヨーステンは大坂城に居城中の德川家康のもとに行くことになりました。
アダムスが臼杵に滞在したのは1週間ほどでしたが、黒島では毎年4月にデ・リーフデ号の到着を記念すると共に、航海中に亡くなった乗組員たちの慰霊を行っています。小さな記念公園が造られ、アダムスと二等航海士のヤン・ヨーステンの胸像や、オランダ政府から贈られた望遠鏡をモチーフとした作品が展示されています。また、デ・リーフデ号の模型など、アダムスの航海にまつわる品々を展示した小屋もあります。
大分県臼杵市黒島
黒島へは小型フェリーに乗れば5分ほどで行けます。かってホリデーシーズンをこの島で過ごしたことのある方たちには懐かしい思い出があるでしょう。現在、島の施設の管理、飲食物の販売、SUPボードやカヤックの貸し出しなどは、退職後に地元に戻ってきた男性がおこなっています。建物の外装をカラフルに塗ったり、明るい雰囲気の場所をかもし出しています。この男性の黒島への愛着はひとしおで、幼い頃、フェリー代が払えず、友人と青く澄んだ海を泳いで黒島に渡ったというエピソードを話してくれました。島にはもう定住者はいませんが、本土の人々が時々ミカン畑の手入れに来ています。
黒島行きのフェリー
黒島に渡るフェリー乗り場までは、城下町臼杵の中心部から車で10分ほどです。現在の臼杵市には、市街地を見下ろす小高い丘の上に臼杵城壁が残っています。アダムスたちが城の武士たちに守られながら、この先どうなるかに思いをはせながら過ごしていた場所です。市内には昔の街並みや壮大な寺院が残っており、散策するにはいい場所です。また、フグ、醤油、磨崖仏が有名で、磨崖仏は国宝に指定されています。
臼杵は、デ・リーフデ号が到着する前の16世紀半ばから布教と貿易を始めたポルトガル人とのつながりも大切にしています。1578年にキリシタン大名となった大友宗麟の存在もあり、ポルトガルの影響を受けた街でもあります。町の中心部にある古い蔵の壁の一部はポルトガルのタイルを使用し、改装を重ねています。それとは対照的な稲葉家屋敷跡と素晴らしい日本庭園が近くにあります。臼杵の祭りには、7月中旬の祇園祭や、11月最初の週末に2万個の竹灯籠が町中を飾る竹宵があります。
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臼杵市